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膝の疾患について

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膝の疾患、治療法

正常な膝

正常な膝

A.前十字靭帯損傷

前十字靭帯(ACL)は膝関節の中央にあって、脛骨が前方にズレるのを防ぐ役割をしています。急なストップ、方向転換などの動作などで損傷しやすく、断裂時にはガクッと膝が一瞬はずれたようになり、強い痛みのため運動不能となります。
その後、徐々に腫れがひどくなり、膝のぐらつきが強くなります。この靭帯が断裂してそのままにしておくと、「膝くずれ」と呼ばれる症状が出現することがあります。
この「膝くずれ」を放置し、スポーツ活動や日常生活を続けると膝半月板(関節の中にあるクッション)や関節軟骨が痛み変形性関節症(年をとって関節がいたんだ状態)になります。
前十字靭帯は、前述のとおり関節内部にある靭帯のため、一度断裂してしまうと自然につながったり、断裂部を縫合(ぬってつなぐこと)して治すことは出来ません。したがって、靭帯再建術(他の組織を使って手術的に靭帯を作り直すこと)を行うことになります。

MRI画像

MRI画像

前十字靭帯再建術

前十字靭帯再建術

前十字靭帯が損傷すると、スポーツ時に支障をきたすことがあり、また、その後に半月板がきれたり、関節軟骨が傷んだりするため、年齢が若く、スポーツを日常的に行っている人は治療が必要になります。前十字靭帯は、ギブスによる外固定や、手術的に縫合術を施してもほとんど治癒しないといわれています。そのため、治療は靱帯のかわりになるものを移植することになります。移植材料としては、

1.骨付き膝蓋腱
2.膝屈筋腱(半腱様筋腱、薄筋腱)
3.人工靱帯

などがあります。
日本では主に骨付き膝蓋腱と膝屈筋腱のどちらかを移植の材料として用いることが多く、ともに良好な成績が得られています。当院では膝屈筋腱を主に使用しておりますが、ケースによっては骨付き膝蓋腱で再建することもあります。

再建靭帯

再建靭帯

当院で主に使用している膝屈筋腱(半腱様筋腱)と人工靭帯で作製した移植に用いる靭帯。

B.半月板損傷

半月板は膝関節内にある軟骨に似た組織で、内側と外側に1つずつあり、体重による負担をやわらげたり、膝の動きをスムーズにするクッションの役割があります。膝が曲がった状態での捻りや、さらにその状態から急に立ち上がるなどの動作で半月板は損傷を受けやすくなります。「膝がひっかかる」「まっすぐにのびない」というような症状の時は、半月板損傷の可能性があります。
半月板を損傷すると運動はもちろんのこと、日常の生活にも支障をきたし、階段昇降時や膝の屈伸時での痛み、ゴキッと音がしたり、腫れて水が溜まることもあります。半月板損傷は、靭帯損傷と合併していることも多く、損傷の度合いによっては手術が必要な場合もあります。小さい損傷や治癒しない部位の損傷はその部分のみを切除します。治癒(接着)する可能性のある部位の損傷に対しては縫合して治します。

膝関節鏡で見た半月板

膝関節鏡で見た半月板

膝関節鏡で見た半月板
右が損傷した状態です。

C.変形性膝関節症

膝関節は関節の中で最も複雑なしくみになっており、曲げ、伸ばし、適度なねじれといった動きに加え、身体の大きな荷重を受けながら、かつ高い安定性を保つ、という働きを担っています。変形性膝関節症は、こうして長い間使われてきた膝の軟骨が変形したり、すり減ってくるために起こる病気です。軟骨は、骨と骨の間のクッションの役割をし、老化によって弾力を失い、もろくなってきます。その上に体重の増加や激しい運動などによって膝への荷重が増加すると、軟骨は徐々にすり減ってきて、大腿骨と脛骨が直接ぶつかり合うようになります。こうして痛みが生じるのです。

=保存療法=

年齢が比較的若く、変形や進行度が軽度な症例に対しては、まず、保存療法が行われます。保存療法には、
1.太ももの前にあり膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋に対する筋力強化療法
2.足底板、サポーターなどの装具療法
3.痛み止めの内服、膝関節内にヒアルロン酸製剤を注入する薬物療法
などがあります。
ヒアルロン酸は滑膜細胞から分泌される関節液の主成分であり、関節の潤滑(すべり)をよくし、関節の軟骨をつくることに関係しているといわれています。
通常1回1アンプルを関節内に投与して、1から2週間の投与間隔で5から10本ほど注射するのが一般的です。連続投与を行っても、重大な副作用、合併症を起こすことはほとんどありません。